炊飯器とは、お米を炊いてくれる家電です。
単純に言うとこれだけのことです。
しかし、いざ購入しようとお店に行くと驚くと思います。
見た目そんなに違わないのに、安いものは1万円未満の炊飯器から高いものだと10万円以上の炊飯器もあります。
接客していく中でお客様からは
『炊飯器に10万円以上かける人っているの?』
『安いので十分じゃないの?』
とよくお話を聞きます。
私も炊飯器は炊けたらいいかな、と単純に思っていました。
しかし、実際に高価格帯の炊飯器で炊いたご飯を食べてみると、すごく美味しくなっていて驚きました。
そこで今回は炊飯器の価格の違いをまとめてみました。
価格の違い①炊き方の違い
まず、ほとんどの炊飯器売り場でこの機能別で陳列されていると思います。
圧力IH
圧力鍋などでも利用される圧力を炊飯器にも採用した方式です。
IH方式の全体を加熱する炊き方にプラスでより高火力でお米を炊いてくれます。
圧力をかけることで、通常100℃で沸騰するところを100℃以上に沸点を変化させることが出来ます。
より高火力で炊くことにより、お米一粒一粒にしっかりと熱が伝わるので、ふっくらとしたごはんが炊ける特徴があります。
IH
IH方式は炊飯器の中でも価格帯が中間に位置する方式です。
内釜自体を発熱させてお米を炊きます。
お米の位置関係なく全体を包むように加熱できるのでマイコン式に比べるとしっかりとごはんが炊き上がります。
IH方式は次に紹介する圧力IH方式に比べると、お米自体がしっかりとした炊き上がりになるようです。
マイコン
マイコン式は昔からある加熱の方式です。
イメージとしてはコンロの火に鍋をかけて加熱している状態です。
熱の伝わり方は下からじわじわと、という感じなのでお米の位置によって炊きムラが生じやすいです。
なので一番安い炊飯器はこの方式です。
- どうしても安く炊飯器を手に入れたい
- 炊くことができれば味は気にしない
という人以外には私は勧めない方式です。
価格の違い②釜の違い
炊飯器のおいしさの基準として、昔から言われているのが釜の厚みです。
釜に厚みがある方がしっかりとしていて、熱も伝わりやすいからという選び方が浸透していると思います。
しかし、これは昔の話です。
現在はメーカーによっては釜が重くて扱いにくいというお声を受けて、なるべく軽くしている釜も増えてきています。
厚釜でなくても材質がいいものを利用して、性能を落とさないように工夫もされています。
なので単純に厚みだけで選ぶのではなく、材質にも目を向けて選んでいただきたいです。
厚釜
各メーカーの一番価格が安い炊飯器が採用している釜です。
昔からある厚み重視の釜です。
多層釜
発熱効率の良い材質を何層か重ねている釜です。
ステンレス・アルミ・銅・鉄など各メーカー機種ごとに違いますが、この層が多いほど上位機種になっていきます。
鉄釜
鉄は初熱効率の良い材質なのでよく利用されています。
有名な釜ですと、『南部鉄器』の釜がありました。
持ってみるとずっしりと重たいので、取り扱いには注意が必要な釜です。
銅釜
銅も初熱効率の良い材質です。
見た目が銅のものであったり、多層釜の一部として利用されていたりします。
炭釜
炭は発熱効率も良く、持続性もあります。
備長炭釜などより発熱効率の良い釜は上位機種などに採用されています。
土鍋
土鍋風の釜と本物の土鍋を使っている炊飯器とあります。
本物の土鍋を使っている炊飯器は10万を超えていますが、ほとんどが釜の値段です。
一つ一つ職人さんが手作業で作られているので納得がいきます。
本物の土鍋で炊いたようにふっくらと甘みも感じられ、人気があります。
価格の違い③その他機能
その他にも上位機種になればなるほど、よりおいしく炊くための工夫がされています。
その機能があるかないかなどでも価格の差が生まれています。
炊き分け
炊き分けにも種類があります。
- お米の銘柄に合わせた炊き分け
お米には銘柄ごと水分量の違いなど違いがあります。
この炊き分け機能はそんな銘柄ごとの違いに合わせた炊き方をしてくれます。
- 食感の炊き分け
食感の炊き分けは多くの炊飯器が採用されています。
上位機種になればなるほど、より細かく好みに合った炊き方ができるようになります。
保温時間
保温時間も機種によって大きく変わる部分です。
また、保温時間自体は同じでも上位機種と下位機種ですと、炊きたてを維持できる時間にも違いがあります。
ただ、保温をするだけで味は落ちていきますので、なるべく早く食べてしまうことをオススメします。
食べきれない分は冷凍保存することをオススメします。
冷蔵保存すると、パサつきますし味も落ちるので絶対にやめて欲しい保存方法です。
私も仕事が忙しくて帰ってきたときに、保温ではなく冷蔵保存されていたのですがそんなに長時間経ってないのにまずくなっていて泣きそうになりながら食べた経験もあります。
冷蔵保存はほんとにやめましょう!!
まとめ
今回は炊飯器の価格の違いについてまとめてみました。
価格の違いは加熱方式と釜の材質違い、その他機能の違いによって変わってきます。
炊飯器は接客する中でも、一番難しい家電です。
人によって味の感じ方・好みは違うので確実に好みに合うものを選んでくれと言われると途方に暮れてしまいます。
そんなときは少しでも、好みに近づけるようおいしく炊くための工夫をされている炊飯器選びをしていただければと思います。
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